中国製は増えてきたけどコピー品が多い
中国製もBAILIやQHAVEなど、ここ最近はAmazonではちらほら名前を見かけるようになりました。なんとBALIはRazorockでも取り扱いされており、レビューは星4.5でなかなかのスコアです。
とは言えどっかで見たことあるようなパクリ商品、ヘッド形状を見る限りは特許の切れたGillette SuperspeedやGilleete Techのコピー品が多いように見受けられます。中にはEdwinJaggerを堂々とパクってるのもあります。これは流石に大丈夫なんでしょうかね?
持ってる人が見れば一目瞭然のGillette Superspeedコピー品
まあ日本も高度成長期の頃はコピーしまくってたので人のことは言えないのですが、著作権保護がこれだけうるさく言われている昨今でも堂々と販売しているところが流石というか笑
でもちゃんと真面目に取り組んでいるところもあるようで、今回紹介するのは少なくともうにぞうは同じ形状のホルダーは見たことがないちゃんとしたオリジナル製品のようです。
なんでもコピー品と知ってて使用した場合は罪になるとか聞いたことが有るので買いませんでしたが、今回レビューするやつはシェービングショップマニアの自分が見たこと無いオリジナルのようです。
ですのできちんとレビューして評価したくなりポチりました。
中国オリジナルJiFULI
Baolai Razorというのが社名らしいですが、それ以上のことは書いてませんでした。購入元はAliexpressです。
Baolai Razorがどうこういうよりも、Aliexpress自体に表記するスペースが無いのでそれでかも知れませんが。
さて商品ですが、品名はJiFLI CLASSIC SAFETY RAZOR
型番とかはありません。名前もそのまんまです。流石のネーミングセンス
販売ページはこちらです。価格は1472円、これくらいの値段じゃないと怖くって買えなかったのが正直な気持ちです。ちなみに注文して5日で届きました。最近のアリエクって良くなってる?
開封してみます。
販売ページには自社製の替刃が入っているみたいな説明でしたが、いきなり違うのが入ってます笑
まあ知ってたというか、こういうざっくりした商売がアジアなのですかね? ちなみにこの替刃初めて見ました。Aliexpressでは10枚200円くらいで売ってます。
JiFliブランドの替刃も売ってるんですがなんでこっちが入っているのか謎です。 せっかく5枚貰ったのであとでこっちもテストしてみます。
さて開封してみたのですが至ってマトモです。本体はほぼアルミニウム製です。 バリとか加工の雑さも見られず、特に変なこともない。
写真では金属だったけど届いたらプラスチックだったなんてオチも無かったです。ちゃんとアルミニウムしてます。
唯一ヘッドキャップを固定するネジがニッケルメッキの金属製だったんですが、ネジがアルミニウムだと強度的にどうなの?とも思うので、これでいいんじゃないかと思います。着色しておいて欲しかった気もしますがまあ、見えない部分なので寛容なうにぞうは許してあげます。1500円しか払ってないのに実に偉そうです。
注目のヘッド部なんですが、結構しっかり固定できます。アライメントが狂わないように、2つの穴で固定した上に四隅も固定してズレないようになっています。これは感心しました。ちなみに2ピース構造なのでハンドルの取替は不可。
その結果、しっかり直線が出てますね。だけどちょっと突出量が多い気がします。アグレッシブタイプ?
そういう数値はどこにも書いてないので剃ってみるまでわからんとこがチャイナ
こういうのを計測する道具ってあるんですかね?誰か知ってたら教えてください。
ちなみに突出量が0.5~0.7mmくらいまでをマイルド刃、それ以上をアグレッシブになるって聞いてます。
このヘッドは目視で1mm近く出ている気もしなくもない。
ヘッドキャップの厚みと曲線も関係してくるので実際にどうかは後述します。
重量は51.0g、ミューレR89グランデは80gなのでグリップの太さの割に軽いです。アルミだからですね。
全長約103mm、同じくミューレR89グランデは107mmなのでちょっと短め
うにぞうはどっちかというと短めで取り回しが良い軽量ホルダーが好きなので問題ないですが、ヒゲを重量で切り取る剃り方をしてる初心者の方はちょっと違和感が出る気がします。
マイコレクションのミューレR89Twist(84g)はちょっと重すぎで太すぎだと感じるので、持った感触だけで言うとこっちが好きです。普段使用しているGilletteSuperspeedは56gでした。手に馴染むと思ったらそういうことでしたか。
ということはこれは軽量ホルダーですね。
本体の質感についての感想
1500円で買ったにしてはある程度の質感はあり、もうちょっと高く見えます。これが中国製って言われなければ黙って5千円くらいは払いそう。
ヘッドの形状も最近はスッキリしたデザインが主流なので好きな人は好きなんじゃないかと思います。ハンドルもきっちりローレットが刻んであるので滑ることもなさそうだし窪みも有るのでかなり持ちやすい。面取りもしっかりしてるしバリ処理も適切に行っている感じです。ハンドルのエンド部分が丸くなってますがここがすっぱり切り落とされていたらイマドキのカッコイイホルダーになったんじゃないかとちょっと残念に思います。
流石にうん万円もするステンレス削り出しの高級ハンドルと比べると見劣りしますが、そんなに期待しない視点で見ると「中国製も頑張ってるじゃん」(上から目線)という印象です。 そういうわけで個人的にはここまでは好印象で特に悪いと思うところはありませんでした。アグレッシブ系であってもこれで剃れ味が安定してるなら、色違いのクロームも欲しいかもと思ってるんですが、結果はどうでしょうか?
シェービングレビュー 常用や初心者向きではない
アグレッシブっぽいので替刃に悩みましたが、とりあえず定番のASTRA Superior Plutinumでやってみました。
思った通りアグレッシブ、しかも強めでした。
刃を当てた瞬間から刃の位置が意識できるので全く押し付ける力を使わずにストロークさせました。
スイートスポットは35度くらいで、やや深めにホルダーを起こしてシェービングしました。ASTRAの替刃では強すぎる感じでした。今使っている1週間経過したDORCOくらいが良いかもと思いました。
ミューレR89っていうホルダーは恐らく販売されている中で最もマイルドな部類に入るので、それから取り替えたら恐らくヒリヒリ真っ赤な肌が出来上がるでしょう。それくらいアグレッシブでした。
ですが、精度は悪くないので剃りにくいということは無かったです。刃の選択を間違えましたがマイルド刃、例えばPersonaとかTreetあたりでどうかなと思います。ですが肌の弱い人は止めておいたほうが良いです。もともとアグレッシブホルダーには不向きですから。
恐らくですが、中国製の切れ味の悪い刃に対応させているのかも知れないと感じました。
一方で、初日で慣れていないにしては操作性に不便を感じなかったし、不良部分も見つからなかったです。
刃もバタバタせずしっかり固定されていて、そのあたりの不安感は皆無でした。
ただ「アグレッシブだな」という感想だけですね。こう言う暴れ馬的なホルダーを好む人も一定数居ます。
これを使って「血まみれになりました」は無しです。そういうホルダーです。
使う時は替刃やらプレシェーブやら、色々吟味してバランスを取るものですから。
後日、マイルド刃での使用感も追記したいと思います。今、20枚ほどサンプルを注文しているので、ついでにテストしてみます。
一度使って感想を言うのは時期尚早なのでしばらく使いながら追記していきます。
現時点での感想は、
アグレッシブホルダーの入門として手軽に買えて品質はそこそこ良い
初心者向きではない、最初の1本目としては不向き
剃るスピード(効率)は高い
替刃はワンランク以上切れ味を落として使ったほうが良い
品質は値段の割によかった、問題なし
という感想になります。
「これ1本だけ」所有するにはなかなか癖がありますが、アグレッシブがどういうものか解りやすいと思います。なんせ1,500円ですから、趣味として使う分には楽しいです。
とりあえず現時点ではここまで、また何か気がついたらまた追記して行きます
2023/08/10追記: もうすこしマイルド刃でということで、7日ほど使用したDORCO ST-301で試し剃りしました。Gillette Superspeedに直前まで入れて使用していましたが、いい感じにマイルド傾向になっていたので、これで試してみます。
結果から言うと強烈なアグレッシブ傾向でした。
うにぞうは時間を掛けてアフターシェーブもきっちりやるので、肌のヒリヒリは無いのですがこれは相当です。
スラントというホルダーのヘッドを斜めに装着させて切れ味を増しているヘッドとか、アグレッシブに振り切ってそれが売りのヘッドがありますが、そういった部類の製品という感想です。
これはかなり使用者を選ぶ製品です。『初心者向きではない』と書きましたが、慣れている人でもここまで極端だと替刃探しが大変かもしれません。特にマイルドホルダーでアグレッシブ刃を使っている人は替刃を買い直しになると思います。そのままアグレッシブ刃を使用すると、解って剃っていても肌への負担は相当です。
デザインはなかなか良かったのにこんなに尖った性質だと売れるものも売れないのでは?と余計な心配をしてしまうほどです。これで適度なマイルドさがあれば、某HENSON SHAVINGのライバルになれたのに勿体ないことです。 中国製の両刃カミソリのセンスはこのあたりだということでしょうか?ブラシはなかなかコスパの良い物を出していたので期待しましたが、今後に期待しましょう。
まあ、間違ってゆるゆるの替刃を買ってしまった時にでも使うことにします。1200円で記事を書けて2回遊べたのでこれで納得することにします。
2023/09/06追記:
機会があったのでPERSONA PLUTINUMで試用しました。
今度はバッチリ良い具合です。PERSONAの刃の性能が大きいですが肌にダメージが少なく剃れました。
肌への刺激が少ない刃で剃る場合、このホルダーの利点は刃の当たってる位置がしっかり肌で感じられるところです。そしてマイルドホルダーよりも短時間で剃ることができます。所謂”効率性”というやつです。
デメリットととしては肌を痛めやすいので替刃の選択とプレシェーブやアフターシェーブは入念に行う必要があります。ですのでやはりビギナーには使いにくいと感じられるでしょう。
慣れてくるとアグレッシブホルダーに対して、自分に合った対策ができるので、その上で使用することをオススメします。
それと剃れ味に目がいってて気が付きにくかったですが、このハンドルのデザインは実に持ちやすいです。できればハンドルだけ売り出してほしいくらいです。くびれているところもローレットの入り具合も持ちやすい。ツルツルのホルダーだと石鹸分が半分付いた状態でホルダーを握ると滑りやすいホルダーがあるのですが、このホルダーの滑り止めが効果的に機能して持ちやすいです。そしてアルミ製というのも手伝って回転させやすい。
JIFUILI+PERSONAの組み合わせ、初見は慣れていない部分もあり反省点もありましたが、慣れると有用な気もしてきました。マイルド刃をレビューするときはこれのテストも併せて適合する刃を探して見たいと思います。
今回、このホルダーの評価ランクを一段挙げたいと思いました。この価格だったら許せます。コレクションの一つとして置くのだったら良いと思うようになりました。
ただし、ビギナーが「最初の1本」とするのは止めたほうがいいです。カートリッジ式カミソリで剃るのに手が慣れているうちは無意識にヘッドを押し付けるので、結果、流血すること請け合いです。その癖が無くなってから使用しましょう。
2023-09-17追記:
最初にやっておくべきだったけど、知名度の低いブランドだったのでおまけで付いてきた刃のテストしてませんでした。なのでテスト、ちなみにこの替刃3日目
いやぁ、酷いシェービングでした。プレシェーブもきっちりこなし、ソープも肌に優しいArt of Shaving、アグレッシブヘッドに備えてソープを厚めに塗るべくフェイスラザリングと鉄壁の構成で望みましたが努力の甲斐虚しく撃沈しました。文字通り剃ってたらヘッドがヒゲに引っかかって止まります。うっすらこの替え刃はマイルドだったのでこのホルダーに合わせて作られてるんじゃないかな?だったら相性バッチリなのでは?
とか思っていた時もありました。
んなこたあない、駄目な刃はどれに装着しても駄目だった。
切れない、肌に刺激ありまくり、ひっかかると三拍子揃ったクソシェービングとなりました。
まあ3日目ということも考慮しても切れなさすぎだろう?なんか10日くらい経った刃ってレベル。
むしろこのホルダーに装着したことで欠点ばかりがパワーアップしました。
うはぁ、この刃、もう使わない。おまけで良かった自分で買ってたら超後悔していたところです。
切れないのでストロークしまくったので肌痛いです。TaconicShaveの超強力なバームでリハビリ中ですがそれでもやや肌が火照ってます。中途半端で止めたので剃り残しもあり、剃れてるところは剃れてるんだけど、これってきっとアグレッシブホルダーが強引に肌ごとぶっ刺して毛を持っていったんだろうなぁ汗
このホルダーを買うことがあってもおまけの替刃には手を出さないように。寿命が短く切れ味も最初から大したこと無かったので考えてみたらテストする価値すら無かった涙。
2023-10-10追記:
おまけ替刃の寿命が2日程度のモノだったので再び新品で剃ってみました。
今度はギリギリですが剃れました。少なくとも自分のような太い毛の人にはこの替刃はちょっと切れなさ過ぎだという感想です。アグレッシブ系ホルダーを細い毛の人が使うかどうかは疑問がありますが、太くない毛の人向けの替刃です。
ホルダーの側から見るとTreet PLUTINUMで剃った時は気持ちよく剃れたので替刃次第では上手くいくことが解りました。
結論
2023-10-25追記:
【普通には使える】
その後、なんのかんの言いつつ時々使ってます。
決してビギナー向きではないし、優秀でもない、クセありまくりのチャイナクオリティです。
これでもかと言うくらい刃が出てますので油断すると肌が切れます。替刃次第でかなり使用感が変わります。
最初は正直扱い辛いと思わなくも無かったんです。それとこれ専用の剃り方みたいなのを覚える必要がありますね。でも個人的には結構気に入ってて使う回数が多かったりしてます。慣れてくるとみるみる剃り残しが減りました。
・良い点
効率が良い、剃ってて楽しい
価格が安いホルダーで深剃りできる
ハンドルの使い勝手がかなり優秀
・悪い点
刃がモロに出ているので切りやすい
替刃を選びがシビア、研究する必要あり 質感などはチープ感あり
その反面、そこまで刃が出てるのでばっさり切れます。BBSを最短で達成できます。
世に出てる強アグレッシブ系両刃カミソリは大抵高価なのですが、これは激安ホルダーなのに強アグレッシブとして使える。そこがこの両刃カミソリの特徴です。
ピーキーすぎて両刃カミソリマニアとしては逆に面白くなってきました。
ミューレR89とか、メルクール34Cなどと言ったホルダーは大抵どんな替刃を使っても剃れますが、こっちはVOSKHODとかフェザーとかを使用すると大惨事です。’’なるべく切れない刃”から始めたほうがよい。 よく切れる替刃を使うと文字通り皮が剥けてしまいそうな感じです。
なのでどの替刃までは大丈夫か?なんて試してみたくなって遊んでいたりします。
上手くいくと凄いBBSが出来上がるので思わずムキになってしまいます。
そこがなんとなく楽しくなってしまいました。
現時点ではASTRA green、PERSONA PLUTINUMまでは上手く剃れるようになりました。これはまだ調査中なので色々試してみるつもりです。
【替刃調整式を買うほうが無難】
最近の中国製は調整式も安価に発売されています。アグレッシブホルダーが欲しいけど、どのくらいアグレッシブが自分に丁度良いかはなかなか解りにくいので、何本も買ってそれを探すなら素直に調整式を買ったほうが無難だと思います。自分みたいに何本も揃えて喜ぶような人間ならJiFLIも買いだと思います。
ちょうどアグレッシブホルダーを探していたのでしばらく遊べそうです。
私も同じ物を持っています.最初見た時はかなり刃が出ていて??でしたがよく見ると刃の装着状態で刃が完全にクランプされておらず.薄い紙を入れてみるとスカスカ入ります.
この原因を点検したところヘッドカバーの2本の柱?の寸法が長すぎてクランプを不完全なものに
している事が分かりました.この柱?2本を1~2mmほど削ってみたところ刃のクランプは完全になり刃の出方が抑えられ剃り心地はソフトになりメルクールなどと比べても遜色ないものになりました.